縁をつくるということ~陸前高田の旅~

*この記事はイトグチに2022年7月4日に投稿したものです。

2022年5月に岩手県の陸前高田に行ってきた。東日本大震災以降ご縁ができて、私にとって3年ぶり6回目の訪問だ。親戚がいる訳でもない。行ってボランティアをする訳でもない。ただ会いたい人に会って、食べたいものを食べて帰る。それだけ。

私の両親は東京育ちだから、夏休みに訪れるような遠くの親戚がいない。子どもの頃の夏休みの憧れを大人になった今、陸前高田で叶えているのかもしれない。

アクセスと寄り道

陸前高田へは、私はいつも東北新幹線の一ノ関で降りてレンタカーで向かう。

高速道路がつながり、仙台からの車のアクセスも良くなったようだ。

道中、寄り道をして気仙沼にも立ち寄るのが定番だ。今回は友達に勧められて、道の駅・大谷海岸へ行ってみた。海が目の前で気持ちがいい。海岸をぶらぶら歩いたり、売店を物色したり。おみやげには、地元のANCHOR COFFEEのドリップバッグを買った。以前は旅先で買うおみやげといえば地ビールだったのだが、最近はコーヒーのドリップバッグを探すのが好きだ。こだわり焙煎のお店も増えているし、パッケージも楽しい。何よりかさばらず、重くないのがおみやげにぴったり。

温泉も楽しみの一つ。いつも立ち寄るのは黒崎仙峡温泉。ここは湯船から眺める海の景色が最高だ。

道の駅・大谷海岸の目の前の景色

陸前高田をめぐる

3年振りの陸前高田は震災から10年という節目もあり、また少し町の様子は変化していた。

今回、2019年にオープンした高田松原津波復興祈念公園東日本大震災津波伝承館いわてTSUNAMIメモリアルを初めて訪れた。

観光で来る人は、ここだけを見て帰る人が多いのだという。だけど私はここに加えて、陸前高田を訪れた人には、アバッセたかたの周辺商店街に是非行ってみて欲しいと思う。

ここには2022年3月11日に供用開始となった追悼施設がある。ここから海側を見渡すと、今自分が立っている場所が、どれだけ嵩上げされているのかを実感する。

そして何より町の人に昔から愛されるお店がある。今回のお昼にはみつわ飯店、おやつには小泉屋の米まんじゅう、夜には居酒屋参吉で美味しい海の幸とお酒をいただいた。

行ってみたいお店やまた行きたいお店は他にたくさんあって、それがまた陸前高田に来ようというモチベーションになっている。

参吉で食べた「どんこの肝和え」

なぜ何度も訪れるのか

今回、何度か耳にしたのが現地の人の「何もない」という言葉。「何もないけどごめんね〜」と言って出される採れたて茹でたてのめかぶの美味しさ。あまりの粘りに喉を詰まらせながらも「これを食べに来たんです!」と言う。

「何もないのに、なんで何度も来てくれるのかねぇ」とも聞かれる。逆に私自身、何もできない無力さをいつも感じる。それでもただ、このめかぶやホヤが食べたい、そんな自分勝手な理由で充分だと言い聞かせながら訪れている。これからも変化していくであろう陸前高田を、ご縁ができた以上は見続けていきたい。

魚屋さんでいただいた大好物のホヤ!

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